2024.07.17
ケーブルテレビKATCHで好評放送中の『東海の肖像』。
東海地方にゆかりある人物や産業、芸術や文化などの歴史、そしてそれを後世に受け継ぐ取り組みなども紹介しながら、この地方の魅力を発信する本格ドキュメンタリーです。
今回取り上げたのは、所蔵する国内外1万2,000種の標本のなかから、珍しい・美しい昆虫およそ1,000種を展示する岐阜市の名和昆虫博物館です。
岐阜市の名和昆虫博物館は、大正8年(1919)の開館で、初代館長は名和靖です。
昆虫博物館を設計したのは靖の教え子で、近代建築を代表する建築家の一人・武田五一。
武田はほかにも記念昆虫館やその前に建つ昆虫碑も手掛けています。
名和靖の名前を広く世に知らしめたのが、明治16年(1883)の「ギフチョウ」の発見です。
ということは「ギフチョウ」の名付け親も名和靖ということになると思われますが、実は違っていて、番組ではその真相についてご紹介します。
名和昆虫博物館に展示される標本は、その美しさはもちろん、飛ぶ姿を再現したものなど、昆虫の構造を学習できるのはもとより、眺めるだけでも充分楽しむことができます。
こうした標本はひとつずつ、こちらで製作されたもので、ほかではなかなか見ることのできない、見応えある標本が自慢です。
広く昆虫の魅力を発信し続けている名和昆虫博物館で、とくに力を入れているのが、昆虫採集や標本作りの面白さや基本技術を伝える「昆虫楽会」です。
番組では山県市柿野で行われた「日帰り観察会」にお邪魔しました。
観察会では虫を採ったその場で、同行する名和哲夫館長さんに昆虫を見せると、その場でにわか昆虫講座が始まります。
トンボやチョウのほか、スズメバチだって、子どもたちにとっては狙う獲物のひとつ。
取材にお邪魔したのは5月26日。
この時期は巣作りのため女王蜂が単独で行動しているため、捕獲が容易なんだとか。
観察会ではこうした知識も得られます。
参加者のなかには大人顔負けの昆虫知識を持っている子もいて、一緒に行動すれば、さらにいろんな昆虫知識を得られたり、採集の技も教えてもらえたりできそう。
ちなみに観察会最後には、参加者全員が集まってその日採れた昆虫のなかで、名前が判らないものや、珍しいものを名和館長さんに見てもらう同定タイムが行われます。
この日の戦利品を手に、いわばお宝自慢大会といったところ。
採集した昆虫は持ち帰って標本にして保管するのが基本。
昆虫楽会では標本作りを教える教室も定期的に開催していて、この日はその入門編が開かれていました。
あらかじめ用意されたチョウのなかから、好きなものを選んで標本作りに挑戦するこの講座。
親子での参加はもちろん、大人一人だけでの参加ももちろんOK。
みなさん、目を輝かせて作業に没頭しています。
東海の肖像「虫の世界伝えて一世紀~名和昆虫博物館~」では、岐阜市の名和昆虫博物館のこれまでのあゆみと、その魅力をご紹介。
名和靖の足跡を辿りとともに、今とは異なる目的から始まった名和昆虫博物館の淵源に迫ります。
東海の肖像『虫の世界伝えて一世紀~名和昆虫博物館~』(30分番組)
放送日時は、次の通りです。
地上デジタル121ch
7月26日(金)20:30
7月29日(月)10:00
※ほかにも8月放送あり
※CS地域情報チャンネルsatonokaでは8月30日(金)19:30 放送予定
※災害時や特別番組により、放送日時は変更されることがあります。
詳しくはKATCHホーページをご覧ください。