2023.10.19
東海地方にゆかりある人物や産業、芸術や文化などの歴史、そしてそれを後世に受け継ぐ取り組みなども紹介しながら、この地方の魅力を発信する本格ドキュメンタリーです。
今回取り上げたのは、かつて中部地方で指折りの観光地のひとつに数えられた日本ラインです。
長野県木祖村から流れ出た木曽川が、岐阜県美濃加茂市と可児市の市境で飛騨川と合流し、濃尾平野へと流れ下ります。
その合流点から犬山市までの木曽川中流域を日本ラインと呼びます。
日本ラインの名付け親は、岡崎市出身の地理学者の志賀重昂。
1913年(大正2年)に木曽川を進む船上からの犬山城周辺の眺めが、かつて訪問したドイツ・ライン川の景色に似ていたとして、「日本の萊因河(ライン川)」と語ったと云われます。
番組では当時、志賀が新聞社に書き送った手紙や、実際に掲載された新聞紙面を紹介します。
当時の日本ラインで観光の目玉だったのが木曽川鵜飼です。
1899年(明治32年)にその復活に取り組んだ鵜飼鎌次郎。
鎌次郎はのちに犬山から船で川を遡って観光するライン上りも始めます。
これをきっかけに上流の可児市での流域の観光開発が始まり、ライン下りが誕生します。
日本ラインを全国的な観光地へと押し上げたのが、鳥瞰図絵師として知られる吉田初三郎です。
犬山城近くで一時期暮らした初三郎は、いかにして日本ラインを全国に売り出したのでしょうか。
そして1927年(昭和2年)に東京日日新聞社と大阪毎日新聞社が行った日本八景の募集が、日本ラインの地位を確立させます。
最初の読者投票では河川の部、第3位だった木曽川ですが、その後の審査委員会によって逆転で日本八景に選ばれます。
ここでも初三郎は活躍をみせます。
東海の肖像「日本八景~木曽川・日本ライン~」では、日本ラインの成り立ちを当時の史料や証言などから繙くだけでなく、近代日本の観光史の観点からも、日本ラインがいかにその地位を確立してきたかを分析しています。
さらにこれからどうすべきかについて、専門家から提言してもらいます。
東海の肖像『日本八景~木曽川・日本ライン~』(30分番組)
放送日時は、次の通りです。
地上デジタル121ch
10月27日(金)20:30
10月28日(土)23:00
10月29日(日)9:00
10月31日(火)15:30、23:00
※11月放送あり
※災害時や特別番組により、放送日時は変更されることがあります。
詳しくはKATCHホーページをご覧ください。